展示会に出展する目的の一つは、見込み顧客(リード)との新たな接点を作ることです。とはいえ、名刺をたくさん集めただけでは成果とは言えません。本当の価値は「その後、いかにリードと関係を深め、受注に結び付けるか」にあります。
今回は、展示会リードの“熱”が冷めないうちにアプローチする方法として、「セミナー開催」の活用法をご紹介します。
1.リードは“熱いうち”が勝負!
展示会でブースを訪れてくださったお客様は、その場では関心を示してくれたとしても、時間が経つにつれて記憶も薄れ、他の選択肢に気持ちが移っていきます。
よく言われるのが、「鉄は熱いうちに打て」。展示会後のリードもまさに同じで、接点を持った“直後”こそが、最もアクションを起こしやすいタイミングです。
だから、「セミナーという“次のステップ”を用意する」のです。
具体的には、展示会に出展する段階から、展示会後のセミナーを企画しておくという方法です。
たとえば:
- 展示会でお渡しするチラシや資料に「○月○日オンラインセミナー開催」と告知を入れる
- ブース訪問時に「後日、より具体的な活用法を紹介するセミナーがある」と案内する
- 名刺交換時に「セミナーのご案内をお送りします」と一言添える
こうしてリードとの次の接点をあらかじめ用意しておくことで、展示会が“つながりの始まり”として機能するようになります。
2. セミナーの具体例
展示会後に開催するセミナーの具体的な内容については、来場者(=リード)の「関心を深め、成約につなげる」という目的に沿って構成することが重要です。以下のような構成やテーマが効果的です。
🔸セミナー内容の構成例(BtoB向け・ITシステム商材を想定)

①オープニング(5分)
- 展示会へのご来場お礼
- 本セミナーの目的と構成の説明
② 市場・業界動向の共有(10分)
- 課題意識を刺激するための外部環境の変化や業界トレンドの紹介
- 「なぜ、今このサービスが必要なのか」の背景を共有
③展示会では伝えきれなかった製品・サービスの詳細(20分)
- 展示会では触れられなかった具体的な機能・特徴
- 対応可能な課題やユースケースの深堀り
④ 導入事例や活用シーンの紹介(15分)
- 類似業種の成功事例
- Before/Afterや定量的成果の提示(例:業務時間〇%削減、売上〇%UPなど)
⑤導入プロセス・費用イメージ(10分)
- 検討~導入までの流れ
- かかる期間や必要な体制
- 初期費用・月額の目安(詳細は個別相談へ誘導)
⑥Q&A・個別相談案内(10分)
- よくある質問に回答
- セミナー終了後のフォローアップや個別相談案内
- 次のステップへの導線(例:「本日中にヒアリング申し込みで特典」など)
🔸セミナータイトルの例
「あなたの業務にどう効く?〇〇システムの活用シナリオ紹介セミナー」
「〇〇業界の今と、導入事例に学ぶDX成功の秘訣」
「展示会で注目のソリューションを徹底解説!導入事例×課題別活用法」など
3.展示会前から設計する「リード育成導線」

このように、展示会で獲得したリードを成約につなげるには、“展示会後にどう動くか”を事前に設計しておくことが鍵です。
展示会→セミナー→個別商談という導線を作っておくことで、
- 興味を「関心」に、
- 関心を「行動」に、
- 行動を「受注」に、
と段階的に導くことができます。
また、「セミナー」という言葉は少し堅苦しく感じる方も多いので、「行ってみたい」と思わせるには“気軽さ”や“ハードルの低さ”を表すために、以下のようなネーミングや表現にすることで、ぐっと親しみやすくなります。
・ミニセミナー
→ 所要時間30分〜1時間程度、少人数制、オンライン開催にも◎
・活用相談会
→ 相談感を出して、売り込み色を薄められる
まとめ
展示会は「終わってからが本番」と言っても過言ではありません。名刺を獲得して満足するのではなく、次のステップとしての“セミナー開催”をセットで準備しておくことで、展示会の成果は大きく変わってきます。
熱の冷めないうちに、もう一度相手との接点を持つ仕組みを作る。これが、展示会リードを成果に変えるための重要なポイントです。